警告・禁忌を含む使用上の注意の改訂には十分ご注意ください。
ドラッグインフォメーション
1. 警告
1. 警告
1.1 | 本剤又は他のインターフェロン製剤の投与によりうつ病や自殺企図が報告されているので、投与にあたっては、うつ病、自殺企図の症状又は他の精神神経症状があらわれた場合には直ちに医師に連絡するように注意を与えること。[2.3、8.8、9.1.1、11.1.1 参照] |
1.2 | 間質性肺炎があらわれることがあるので、投与にあたっては、患者の状態を十分に観察し、呼吸困難等があらわれた場合には、直ちに医師に連絡するように注意を与えること。[8.10、11.1.8 参照] |
** 2. 禁忌
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
2.1 | 本剤の成分又は他のインターフェロン製剤に対し過敏症の既往歴のある患者[8.2、11.1.2、11.1.15 参照] |
2.2 | 重度のうつ病又は自殺念慮のある患者又はその既往歴のある患者[うつ病や自殺企図があらわれることがある。][1.1、9.1.1、11.1.1 参照] |
2.3 | 非代償性肝疾患の患者[9.3.1、11.1.7 参照] |
2.4 | 自己免疫性肝炎の患者[9.3.2、11.1.6 参照] |
2.5 | 治療による管理が十分なされていないてんかん患者[症状が悪化するおそれがある。][9.1.2、11.1.4 参照] |
2.6 | 小柴胡湯を投与中の患者[10.1 参照] |
2.7 | ワクチン等生物学的製剤に対し過敏症の既往歴のある患者 |
3. 組成・性状
3.1 組成
販売名 | アボネックス®筋注用シリンジ30μg | ||
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成分 ・分量 |
有効成分 (1シリンジ(0.5mL)中) |
インターフェロン ベータ-1a (遺伝子組換え)注1) |
30μg |
添加剤 (1シリンジ(0.5mL)中) |
酢酸ナトリウム水和物 | 0.79mg | |
氷酢酸 | 0.25mg | ||
L-アルギニン塩酸塩 | 15.8mg | ||
ポリソルベート20 | 0.025mg |
3.2 製剤の性状
販売名 | アボネックス®筋注用シリンジ30μg | ||
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性状 | 外観 | 無色澄明な液剤 | |
pH | 4.5~5.1 | ||
浸透圧比注2) | 約1 |
4. 効能・効果
多発性硬化症の再発予防
5. 効能・効果に関連する注意
進行型多発性硬化症に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。
6. 用法・用量
通常、成人にはインターフェロン ベータ-1a(遺伝子組換え)として 1 回30μgを週一回筋肉内投与する。
7. 用法・用量に関連する注意
注射部位反応(発赤、発疹等)が報告されているので、投与ごとに注射部位を変えること。
8. 重要な基本的注意
8.1 | 本剤の投与初期においてインフルエンザ様症状(発熱、悪寒、頭痛、筋痛、無力症、疲労、悪心及び嘔吐等)があらわれるので、その旨を患者にあらかじめ説明しておくこと。投与数時間~数日後にあらわれることもあるので、投与後数日間は慎重に観察するとともに、異常が認められた場合には、解熱消炎鎮痛薬の併用等適切な処置を行うこと。 |
8.2 | 過敏症等の反応を予測するため、使用に際しては十分な問診を行うとともに、あらかじめ本剤によるプリック試験を行うことが望ましい。[2.1、11.1.2、11.1.15 参照] |
8.3 | 劇症肝炎等の重篤な肝障害があらわれることがある。投与開始前及び投与中は肝機能検査(AST、ALT、γ-GTP等)を定期的に(1~3ヵ月に1回)行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。肝機能障害の既往のある患者では、投与開始1~2週間後にも検査をすることが望ましい。また、肝機能障害が報告されている薬剤やアルコールなどと本剤の併用により肝障害が発現する可能性があるので、それらと併用する際には十分注意すること。また、本剤投与後に悪心・嘔吐、倦怠感、食欲不振、尿濃染、眼球結膜黄染等の症状があらわれた場合には、医師等に連絡するよう患者に指導すること。[9.3.1、9.3.3、11.1.7 参照] |
8.4 | 汎血球減少症、白血球減少又は血小板減少等の血球数減少を起こすことがあるので、白血球分画及び血小板数を含む血液検査を定期的に行い、患者の状態を十分に観察すること。[9.1.4、11.1.3 参照] |
8.5 | 本剤投与中は尿検査(尿蛋白)を定期的に行うこと。[9.2.1、11.1.13、11.1.17 参照] |
8.6 | 自己投与の適用については、医師がその妥当性を検討し、患者に対し十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法を理解させ、患者自らが筋肉内に確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。また、適用後、感染等本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。 使用済みの注射針あるいは注射器を再使用しないように患者に注意を促し、安全な廃棄方法について指導を徹底すること。すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に、使用済みの針及び注射器を廃棄する容器を提供すること。 |
8.7 | 本剤投与により中和抗体が出現することがある。In vitroの試験において、中和抗体が本剤の生物活性を減弱させることが知られている。また、中和抗体が、本剤の臨床効果を減弱させる可能性がある。[15.1.1 参照] |
8.8 | 本剤の投与にあたっては、抑うつ、自殺企図をはじめ、躁状態、攻撃的行動、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等の精神神経症状発現の可能性について患者及びその家族に十分理解させ、これらの症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう注意を与えること。[1.1、9.1.1、11.1.1 参照] |
8.9 | 投与を一時中止し、再投与する場合、ショック等の過敏症があらわれることがあるので、慎重に投与すること。[11.1.2、11.1.15 参照] |
8.10 | 間質性肺炎があらわれることがあるので、咳嗽又は呼吸困難等があらわれた場合には直ちに連絡するよう患者に対し注意を与えること。[1.2、11.1.8 参照] |
8.11 | 溶血性尿毒症症候群(HUS)があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査及び血液学的検査(血小板、赤血球等)を行うこと。[11.1.12 参照] |
8.12 | 糖尿病があらわれることがあるので、定期的に検査(血糖値、尿糖等)を行うこと。[9.1.7、11.1.14 参照] |
8.13 | 急性腎不全があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査を行うこと。[9.2.1、11.1.17 参照] |
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 | 合併症・既往歴等のある患者
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9.2 | 腎機能障害患者
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9.3 | 肝機能障害患者
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** 9.5 | 妊婦 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(サル)において本剤の高用量の投与で流産が認められたとの報告がある。 |
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* 9.6 | 授乳婦 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行が報告されている。 |
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9.7 | 小児等 臨床試験において除外されている。 |
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9.8 | 高齢者 患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。 |
10.相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
---|---|---|
小柴胡湯 [2.6、11.1.8 参照] |
間質性肺炎があらわれるおそれがある。なお、類薬(インターフェロン アルファ製剤)と小柴胡湯との併用で間質性肺炎があらわれたとの報告がある。 | 機序は不明である。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
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抗てんかん剤 (フェニトイン等) |
抗てんかん剤の作用を増強するおそれがある。 | インターフェロン類は、動物において肝チトクロームP450分子種2C9及び2C19の活性を低下させるとの報告がある。 |
アンチピリン | 本剤の投与量増加に伴い血漿中アンチピリンの消失が遅延することが報告されている。 | インターフェロン類は、ヒトにおいて肝チトクロームP450分子種1A2の量及び活性を低下させるとの報告がある。 |
ワルファリン | ワルファリンの作用を増強するおそれがあるので用量を調節するなど注意すること。 | |
テオフィリン | テオフィリンの血中濃度を高めるおそれがある。 |
11.副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1 | 重大な副作用
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11.2 その他の副作用
5%以上 | 5%未満 | 頻度不明 | |
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感染症および寄生虫症 | 咽頭炎 | 中耳炎 | 気管支炎、感染、注射部位膿瘍、副鼻腔炎、上気道感染、注射部位蜂巣炎、尿路感染 |
血液およびリンパ系障害 | 低色素性貧血 | 貧血 | |
代謝および栄養障害 | 食欲減退 | ||
精神障害 | 錯乱状態、不安、知覚障害、睡眠困難、感情不安定、不眠症 | ||
神経系障害 | 頭痛(28%) | 感覚鈍麻、知覚過敏、筋緊張亢進 | 浮動性めまい、錯感覚、片頭痛、筋痙直 |
眼障害 | 眼の障害 | ||
耳および迷路障害 | 聴覚障害、耳痛 | ||
心臓障害 | 不整脈、頻脈、動悸、失神 | ||
血管障害 | 血管拡張 | ||
呼吸器、胸郭および縦隔障害 | 鼻漏 | ||
胃腸障害 | 悪心 | 嘔吐、下痢、腹痛 | 歯痛 |
皮膚および皮下組織障害 | そう痒症、皮膚炎 | 脱毛症、薬疹、多汗症、寝汗 | |
筋骨格系および結合組織障害 | 関節痛、筋力低下、背部痛 | 筋肉痛 | 関節炎、四肢痛、筋骨格硬直 |
生殖系および乳房障害 | 月経困難症 | 不正子宮出血、月経過多 | |
一般・全身障害および投与部位の状態 | 発熱(44%)注)、インフルエンザ様症状(80%)、倦怠感、注射部位反応、嚢胞 | 悪寒、疲労、注射部位疼痛 | 注射部位紅斑、注射部位内出血、注射部位斑状出血、注射部位炎症、注射部位硬結、無力症、疼痛、胸痛 |
臨床検査 | 体重減少、ALT増加 | AST増加、γ‒GTP増加、CRP増加、血中CK増加、肝機能検査異常、尿検査異常 |
14.適用上の注意
14.1 | 薬剤投与時の注意
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15.その他の注意
15.1 | 臨床使用に基づく情報
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15.2 | 非臨床試験に基づく情報
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*2021年6月改訂(第1版) 添付文書